尊厳死
安らかで人間らしい自然な死を迎えるために
末期医療において、治る見込みの無い植物状態になった時に、自分の意志で治療を打ち切って自然な死を迎えたいと考える人は多いようです。自分の尊厳を保ちながら、安らかで人間らしい自然な死を迎えることは、個人の権利でもありますが、これが確実に実行されるためには、
まだ心身共に健全な内に、自分の意志を文書にして残しておくことが必要です。
この文書をリビングウイル(尊厳死宣言)と言います。末期医療に移行し、本人の意思表明が困難になった時に、本人に代わって家族がリビングウイルを医師に提示して、無意味な延命措置を拒否することができます。
尊厳死宣言の例
私は死に際して、自然に逆らわず、安らかな死に方を自分自身で選び人間らしく死ぬことを主張致します。
私の病が治る見込みがなく、死期が迫っている場合には、ただ延命の目的だけの延命措置は一切行わないで下さい。
また、苦痛を和らげるための治療は、最大限実施して下さい。このことで、死期が早まっても構いません。
私が植物状態に移行した場合は、生命維持装置を取り外して下さい。この宣言に従って実施された行為の責任はすべて私自身にあります。
この宣言書は、私の精神が健全な状態にあるときに自署し、署名捺印したものであることを証します。
○○○○年○月○日
住所 東京都日野市日野台1−19
氏名 前田光志 印
(昭和15年1月22日生
参考
[日本尊厳死協会]
●日本尊厳死協会
〒113 東京都文京区本郷2−29−1 渡辺ビル201
TEL 03-3818-6563
年会費3千円を納めて上記宣言書を協会に送ると、協会が登録保管し、コピー2通が返送されます。本人と近親者がこれを保持し、意思の継続を確認する仕組みです。
創設以来29年、現在の登録者は11万人になります。内7割が女性です。遺族のアンケートによると、リビングウイルを提示した人の96%が、医師から患者の意思を受け入れて貰えたそうです。
成年後見制度(任意後見制度)
自分の老後を守る社会制度
平成12年4月に制定された、民法の任意後見法は、高齢やボケによって、 判断能力が低下して、財産管理や介護等で不利な契約行為をしたり、
悪徳商法の被害にあわないようにするなど本人の保護体制を充実するために 家庭裁判所が適切な保護者を選んでくれる制度です。
本人、配偶者または四親等内の親族が、家庭裁判所に申し立てて、補助人を選定し、
特定の法律行為について、補助人に代理権を与えてもらうことになります。
例えば、おばあちゃんの息子が申し立てをして、自分を補助人に選定してもらえば、
おばあちゃんが、借金や保証をしたり、不動産や債券を処分したり、担保権を設定したりする場合には、
その息子の同意が必要で、同意を得ずに行った場合には、それを取り消して無効にすることが出来ますし、
また、おばあちゃん所有の賃貸マンションの賃貸契約締結等については、息子が代理権を持ち、
自分自身の名前で手続きをすること等も可能になります。
身寄りがなくて申し立て人がいない人の保護を図るため、市町村長にも法定後見開始の申立権を与えられています。
これらはすべて公正証書で代理人と任意後見契約を結び、家庭裁判所が選任する任意後見監督人の監督のもとで行われます。
新制度が生まれた背景には、知的障害者や痴呆などで判断能力が十分でない人に対しても、出来る限り自己決定権を尊重していこうという、国際的な流れに基づき、従来の法定後見制度に、軽い知的障害者らのための補助を設け、利用対象者の枠を広げたものであります。
まだ判断能力が残っている、いわゆるまだらボケの内に、自分で後見人を選ぶことができるので、新しいライフスタイルの手段として、活用する人が増えています。
成年後見制度のパターン
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法定後見 |
任意後見 |
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補助 |
保佐 |
後見 |
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対象者 |
判断能力が不十分な人 |
判断能力が著しく不十分な人 |
判断能力が全くない人 |
現在は問題ないが将来に備えたい人 |
家裁への申立権者 |
本人、配偶者、四親等内の親族、市町村長など |
本人、配偶者、四親等内の親族 任意後見受任者(任意後見人) |
支援者 |
補助人 |
保佐人 |
成年後見人 |
任意後見人 |
当社で任意後見人の受任又は紹介を行います。
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